時速20キロの風

日々雑感・自転車散歩・読書・映画・変わったところで居合術など。

映画 「THE QUAKE」2018 ノルウェイ

なんやこの愚図いオヤジは…。 前作があって、それは津波を題材にした映画だったそうだ。主人公は地質学者で、前作で救えなかった人々への自責の念から、家族とも離れて、ひとり現地で研究を続けている、という設定だ。 そもそも、ノルウェイの街並みや風景、…

読書メモ 「嫌われた監督」鈴木忠平 2021年9月 文芸春秋

久しぶりの、半徹一気読みだった。 落合博光は中日をどう変えたのか。というサブタイトルがついているように、中日の監督時代の落合について書かれたスポーツノンフィクションである。 中日ファンではないし、落合が中日の監督だった頃は、子どもが小さくて…

読書メモ 「最後の角川春樹」 伊藤彰彦 毎日新聞出版 2021年11月

年代的に、角川文庫や角川映画にはずいぶんと世話になったんだなぁ、と本書を読みながら思った。しかし、本書で振り返れば、熱心に劇場に通った角川映画も初期の一時期だけだったようだ。金田一耕助ブームの期間とその後少しだけ。 当時はその宣伝手法ばかり…

 回想法6 深作欣二と原田美枝子と大部屋の哀歌

かれこれ35年も前のことだ。いよいよ残り少なくなってきた京都での学生生活をどんな風に過ごそうかと考えつつ、卒業旅行の資金もためなければ、ということで、「記憶に残る珍しいバイトをして小遣い稼ぎもしよう」と欲張った計画を立てた。 当時は、ネットも…

あぁ、貧乏性…。

コートがいらなくなった直後の春先に着るテーラードジャケットが1枚欲しいな、と前から思っていたのだが、先日、若い人向けのカジュアル衣料のチェーン店で見つけたジャケットは、値札に何枚もシールが貼られていた。順番に追っていくと、元が14800円、次に6…

読書メモ 「廃墟の白墨」遠田潤子著 光文社 2019年9月

新聞の書評で見かけた。まったく知らない作家だった。 読んでみて、これは面白かった。ハラハラドキドキのミステリーとか、そういうのではなく、静かな読書感である。設定そのものが、非日常的でファンタジー感もある。が、ファンタジーという語感から想像さ…

吉野家の牛丼と王将の餃子

私は学生時代、大学の校門前で配布されていた冊子型の「王将の餃子無料券」にずいぶん助けられましたよ。当時の京都の大学生は皆そうではないかな。それにしても太っ腹に配っていたなぁ。 おかげで今でも「王将の餃子」は、定期的に、無性に食べたくなります…

読書メモ LINEマンガで韓国のマンガを読んで思う。「鉄槌教師」

たまたまなのか、こういう傾向のマンガが多いのか。 読んだのは、荒廃した高校のいじめの話で、出てくる悪い奴が、いじめというような陰湿なものではなく、ただの粗暴犯で、たとえば銃器を持ったロシア兵が、武器を持たない一般のウクライナ人を虐殺するかの…

読書メモ 「女帝 小池百合子」石井妙子著 文芸春秋 2020年5月 

この本が書店で平積みになっていたのは覚えている。先日ブックオフで300円で売られているのを見た。 内容は、これはとんでもなく興味深いルポルタージュだった。綿密な取材の跡が見え、いわゆるタレント本や暴露本のような類ではない。 読む限り、さもありな…

回想法5 忠臣蔵と、どこかのお城と、馬の尻尾のワルツ

かれこれ35年も前のことだ。いよいよ残り少なくなってきた京都での学生生活をどんな風に過ごそうかと考えつつ、卒業旅行の資金もためなければ、ということで、「記憶に残る珍しいバイトをして小遣い稼ぎもしよう」と欲張った計画を立てた。 当時は、ネットも…

春なのに…

通勤用のママチャリだが、ゆーっくりと空気が抜けていく。虫ゴムが痛んでいるのかと思ったがそうではない。スローパンクというやつだ。チューブに極小さい穴が開いているのか、もう劣化がひどくてどうしてもだめなのか。パンク修理しまくったチューブなんで…

回想法4 修学旅行の安宿と肉三昧ロックンロール

かれこれ35年も前のことだ。いよいよ残り少なくなってきた京都での学生生活をどんな風に過ごそうかと考えつつ、卒業旅行の資金もためなければ、ということで、「記憶に残る珍しいバイトをして小遣い稼ぎもしよう」と欲張った計画を立てた。 当時は、ネットも…

ある居合道家の煩悶

私の知人は、某連盟所属道場で10数年稽古に励み、練士に昇段された。現在は、勤めを定年され、連盟の道場を卒業し、フリーの立場で同志と共に稽古に励んでおられる。ここ数年は、家に居ることが多くなり、暇に任せてネットを検索していろいろな居合を見分さ…

17歳 パピヨンのマル、豆腐と牛乳で再び生還す

飲み食いできなくなって主治医にも「延命治療はいたしません」と見離されながら、おばぁはんの誕生日の鯛をおすそ分けしてもらって食べてからみるみる回復して3年弱。一命はとりとめたものの、頭も体も時とともに弱り、今や食べて寝て、起きたらトイレの粗相…

クライ・マッチョ/クリント・イーストウッド

クリント・イーストウッドが監督で主演の映画である。91歳だそうだ。声の出し方とか歩き方、背中の曲がりぐあいなど、演技なのか、そのままなのかわからないが、見た目普通に老人だった。かなりの老人だった。もちろん老人の役をしているのだが、このドラマ…

回想法3 探偵事務所と黒猫のブルース

かれこれ35年も前のことだ。いよいよ残り少なくなってきた京都での学生生活をどんな風に過ごそうかと考えつつ、卒業旅行の資金もためなければ、ということで、「記憶に残る珍しいバイトをして小遣い稼ぎもしよう」と欲張った計画を立てた。 当時は、ネットも…

これって小説のフリした暴露本?「女警」古野まほろ 角川文庫

これはとんでもない小説に出会ってしまった。「ハコヅメ」を見て、交番勤務の婦警さんもたいへんだねー、と微笑んでいた笑顔が凍り付いてしまった。 小説なのだ。警察小説だ。冒頭、驚くべき事件が起こる。しかし、単純に見える事件には謎がありそうだ。その…

マンガアプリ「マガポケ」で「ハコヅメ~交番女子の逆襲~」を読む

戸田恵梨香さんと永野芽郁さんがダブル主演をしたテレビドラマ「ハコヅメ~たたかう!交番女子」の原作である。テレビドラマの方は、ライトなコメディで、21年夏に楽しませてもらった。放映の最中、永野芽郁さんがコロナに感染してしまい撮影が中断。2回くら…

回想法2 祇園スナックゆうこの哀愁

かれこれ35年も前のことだ。いよいよ残り少なくなってきた京都での学生生活をどんな風に過ごそうかと考えつつ、卒業旅行の資金もためなければ、ということで、「記憶に残る珍しいバイトをして小遣い稼ぎもしよう」と欲張った計画を立てた。 当時は、ネットも…

回想法1 京都五条ステッキボーイの憂鬱

かれこれ35年も前のことだ。いよいよ残り少なくなってきた京都での学生生活をどんな風に過ごそうかと考えつつ、卒業旅行の資金もためなければ、ということで、「記憶に残る珍しいバイトをして小遣い稼ぎもしよう」と欲張った計画を立てた。 当時は、ネットも…

読書メモ こんな雨の日に 映画「真実」をめぐるいくつかのこと 是枝裕和 2019年 文芸春秋

「万引き家族」「海街Diary」の是枝監督が、カトリーヌ・ドヌーヴを主演に、2019年に制作した日仏合作映画「真実」の、構想から、脚本執筆から、出演交渉から、ロケハンから、撮影から、クランクアップまでの、映画作りのすべての道のりを綴った制作日記であ…

居合道 脱藩浪人のつぶやき

華道、茶道、書道、とかく道のつくものにはお金がかかるという。いやいや、どの道にかかわらず、大人の趣味にはお金がかかる、ものなのだそうだ。 居合道はどうか。私が所属していた道場は、某居合道連盟に加入していた。 さて、連盟である。道場に参加して…

居合 試し斬り

畳表を丸めて水に浸したものを本身の刀で斬ります。刃筋が通れば、力を入れずにさっと振るだけでスパーンと抵抗なく切れてしまいます。切り口もきれいです。刃筋が通らなければ、どすっと刃が畳に食い込むだけだったり、斬り落とせても切り口がささくれ立っ…

映画「燃えよ剣」

手元に、月刊「秘伝」2020年6月号がある。特集は、「新選組の剣」。表紙は、映画新選組のポスターから土方歳三に扮する岡田准一のアップ。 マニアックな武術専門誌としては異色の号だ。岡田准一氏が武術に造詣が深いことから、このような特集ができたのだろ…

「マガポケ」「ピッコマ」「LINEマンガ」

今週のお題「読書の秋」 読書の秋なのだが、スマホのマンガアプリを3つほど入れてみて、それにすっかり時間を取られてしまっている。どれも似たようなサービス形態で、連載マンガの何話かまでが無料で読めて、それ以降は、それぞれのサイト独自のポイントを…

読書メモ 電子書籍「余命10年」小坂流加 文芸社

これもアマプラで読める小説である。タイトルママの内容で、タイトルママに話は進むのだが、わかっていてもやられてしまう。心の乱れはあるものの、特段哲学的にややこしい死生観を語るわけでもなく、「君の膵臓を食べたい」の世界に近い気がする。 スマホで…

まんがをスマホで読んでみた。

アマプラに巻き込まれてから、映画ばかり観ていたが、小説や雑誌も読めるということで、試してみた。小説をprime枠、つまりは追加料金不要で1冊読んだが、けっこう読めた。無料で読める電子ブックとしては「青空文庫」が有名だが、著作権が切れた古典的名作…

アマプラは続くよ、どこまでも、ってか。

「初恋」「EAST meets WEST」「ミッドサマー」 どれもTSUTAYAに行けば旧作DVDで88円なのだが、ネットで観たいときに観れるのは、やばい。 「ミッドサマー」は、映画評を観て気になっていたので、映画好きの友人に勧めたのだが、えらい怒られてしまって、お前…

児童虐待、「適切」に対応してもこうなるなら、もはやルールが「適切」じゃないんだろう。

胸糞悪くて、ニュース観ていてもこの話題になったらチャンネル変えてしまうのが児童虐待事件なのだが。今回も、役人が記者会見して、児相や役所の関りは適切だった、といっている。きっとそうなんだろう。子どもは親の元に、親が親権を持っているのだから、…

いまさらの「万引き家族」に驚嘆する。

というわけでアマプラでいろいろ映画を観た中で、長年気になりながら見る機会を逃し続けていた「万引き家族」を観た。いまさらながら、である。 モバイルノートパソコンの小さい画面で食い入るように見入っってしまった。 個人的な印象なのでが、モバイルノ…