時速20キロの風

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読書メモ LINEマンガで韓国のマンガを読んで思う。「鉄槌教師」

 たまたまなのか、こういう傾向のマンガが多いのか。

読んだのは、荒廃した高校のいじめの話で、出てくる悪い奴が、いじめというような陰湿なものではなく、ただの粗暴犯で、たとえば銃器を持ったロシア兵が、武器を持たない一般のウクライナ人を虐殺するかのごとく、相手が教師であれ学生であれ、弱者とみればとことん一方的な暴行を働くのだ。その学校を立て直すために、特命を受けた教権保護局の教師が派遣されるのだが、その教師がクソどもを問答無用、痛快に叩きのめすのである。リアルに鉄拳で。

 

 相手は、極悪人だが、一応学園モノのマンガなので、なんやかんやで、心を入れ替えさせようと尽力したり、あげく悪人が改心したりするのかと思っていたが、とことん成敗である。退治といってもいいかもしれない。ごちゃごちゃ説教したりせず、小ばかにした顔で舐め切った言い訳をする極悪学生を、いきなり顔が曲がるまで殴り倒すのだ。そう。教権保護局の教師は、軍の特殊部隊にいたとかで、とにかく異様に強いのである。この単純な痛快さにはまる。

 

 かつて見たようなドラマだと、教師が身を挺して人道を解き、結果、悪人が改心し、彼がこうなったのは社会のひずみが原因だったのだ、とかいって感動してみせるのかもしれない。だが悪人が改心しても、被害者の傷や生命は回復しない。なのでこの手のドラマは、クライマックスで被害者を描かない。しかしこのマンガは、被害者を描いている。悪人はただ憎まれ退治されるためだけに登場する。

 

 あーだこーだ考えたりすることなく、憎むべき相手を問答無用でぶちのめし、ただスカッとするだけっていうドラマもいんじゃないか。と思った。そういうドラマが流行っているのなら、韓国もかなりストレスフルな社会なのかもしれない。