時速20キロの風

日々雑感・自転車散歩・読書・映画・変わったところで居合術など。

読書メモ

読書メモ 「私は真実が知りたい」赤木雅子+相澤冬樹(2020年文藝春秋)

小泉今日子さんがこの本を読んで、ネットフリックスのドラマ「新聞記者」で赤木雅子さんの役を引き受けたものの、赤木さん自身に了解をとっていない演出があることで役を降りた、というインタビューをネットで読んだ。小泉今日子さんは、演技者として優れて…

読書メモ 「コロナ黙示録 2020年災厄の襲来」海堂尊 2022年7月 宝島社文庫

文庫の新刊。続編の「コロナ狂騒録 2021五輪の饗宴」も同時に刊行されている。 本書では、クルーズ船の入港騒動からマスクの配布あたりまで、不定愁訴外来の田口先生をはじめ、チーム・バチスタシリーズのおなじみの面々が、コロナに振り回される様子を描く…

読書メモ 「ムーンライト・イン」 中島京子 2021 角川書店

冒頭で、自転車で旅をしている青年(若めの中年?)が出てきたので、それで手にした小説である。著者の作品は、映画にもなった「ちいさなおうち」を読んだことがあった。 この冒頭の自転車旅の若めの中年、が主人公というか狂言回しの役目で、大雨の中、雨宿…

読書メモ 「嫌われた監督」鈴木忠平 2021年9月 文芸春秋

久しぶりの、半徹一気読みだった。 落合博光は中日をどう変えたのか。というサブタイトルがついているように、中日の監督時代の落合について書かれたスポーツノンフィクションである。 中日ファンではないし、落合が中日の監督だった頃は、子どもが小さくて…

読書メモ 「最後の角川春樹」 伊藤彰彦 毎日新聞出版 2021年11月

年代的に、角川文庫や角川映画にはずいぶんと世話になったんだなぁ、と本書を読みながら思った。しかし、本書で振り返れば、熱心に劇場に通った角川映画も初期の一時期だけだったようだ。金田一耕助ブームの期間とその後少しだけ。 当時はその宣伝手法ばかり…

読書メモ 「廃墟の白墨」遠田潤子著 光文社 2019年9月

新聞の書評で見かけた。まったく知らない作家だった。 読んでみて、これは面白かった。ハラハラドキドキのミステリーとか、そういうのではなく、静かな読書感である。設定そのものが、非日常的でファンタジー感もある。が、ファンタジーという語感から想像さ…

読書メモ LINEマンガで韓国のマンガを読んで思う。「鉄槌教師」

たまたまなのか、こういう傾向のマンガが多いのか。 読んだのは、荒廃した高校のいじめの話で、出てくる悪い奴が、いじめというような陰湿なものではなく、ただの粗暴犯で、たとえば銃器を持ったロシア兵が、武器を持たない一般のウクライナ人を虐殺するかの…

読書メモ 「女帝 小池百合子」石井妙子著 文芸春秋 2020年5月 

この本が書店で平積みになっていたのは覚えている。先日ブックオフで300円で売られているのを見た。 内容は、これはとんでもなく興味深いルポルタージュだった。綿密な取材の跡が見え、いわゆるタレント本や暴露本のような類ではない。 読む限り、さもありな…

回想法3 探偵事務所と黒猫のブルース

かれこれ35年も前のことだ。いよいよ残り少なくなってきた京都での学生生活をどんな風に過ごそうかと考えつつ、卒業旅行の資金もためなければ、ということで、「記憶に残る珍しいバイトをして小遣い稼ぎもしよう」と欲張った計画を立てた。 当時は、ネットも…

これって小説のフリした暴露本?「女警」古野まほろ 角川文庫

これはとんでもない小説に出会ってしまった。「ハコヅメ」を見て、交番勤務の婦警さんもたいへんだねー、と微笑んでいた笑顔が凍り付いてしまった。 小説なのだ。警察小説だ。冒頭、驚くべき事件が起こる。しかし、単純に見える事件には謎がありそうだ。その…

読書メモ こんな雨の日に 映画「真実」をめぐるいくつかのこと 是枝裕和 2019年 文芸春秋

「万引き家族」「海街Diary」の是枝監督が、カトリーヌ・ドヌーヴを主演に、2019年に制作した日仏合作映画「真実」の、構想から、脚本執筆から、出演交渉から、ロケハンから、撮影から、クランクアップまでの、映画作りのすべての道のりを綴った制作日記であ…

「マガポケ」「ピッコマ」「LINEマンガ」

今週のお題「読書の秋」 読書の秋なのだが、スマホのマンガアプリを3つほど入れてみて、それにすっかり時間を取られてしまっている。どれも似たようなサービス形態で、連載マンガの何話かまでが無料で読めて、それ以降は、それぞれのサイト独自のポイントを…

読書メモ 電子書籍「余命10年」小坂流加 文芸社

これもアマプラで読める小説である。タイトルママの内容で、タイトルママに話は進むのだが、わかっていてもやられてしまう。心の乱れはあるものの、特段哲学的にややこしい死生観を語るわけでもなく、「君の膵臓を食べたい」の世界に近い気がする。 スマホで…

読書メモ 世田谷一家殺人事件 銘肌鏤骨 青志社 2020年10月

事件から20年が経ち、犯行現場である被害者宅が取り壊されるというタイミングで書かれたもので、著者にしては、同じ事件をテーマにした前著に続く続編である。 この事件で警察の初動に問題があったことは多くの指摘がされている。あまりにも多くの遺留品があ…

読書メモ 駅に泊まろう 豊田巧 光文社文庫 2020年9月

北海道の比羅夫という駅には、駅舎を用いた民宿が実際にあるらしい。 駅舎といっても廃駅ではなく、JR函館本線の現役の駅で当然列車も停車する。「駅の宿いらふ」という。 さて、本書である。最初はタイトルを見て、終電が去った駅で野宿しながら旅をする話…

読書メモ 小説家になって億を稼ごう 松岡圭祐 新潮新書 2021年3月

人気作家が売れなくなると書くのが小説指南書だとか聞いたことがある。それにしては、タイトルが弾けてるなぁ、と思って読んでみたら中身も弾けてた。 Ⅰ部の小説家になろう編では、教科書的な内容ではなくキャラ設定から空想を広げていく作者オリジナルの方…

読書メモ その話は今日はやめておきましょう 井上荒野 2018年 毎日新聞出版

夫が定年退職してしばらくたった中高年夫婦が、クロスバイク(スポーツタイプの自転車)趣味にしてサイクリングを始めました、というところから始まる話。自転車が重要な小道具として登場する小説、しかも、レースの話ではなくクロスバイクでのチャリ散歩、…

読書メモ 萩原健一とは「ショーケン 天才と狂気」青志社 2021年5月 大下英治

マカロニ刑事の殉職シーンに衝撃を受けて以来、ドラマ、映画、音楽をずっと追いかけていた。ファンとか憧れとかいうより、見続けなければならない課題のように感じていた。ショーケンの映画やステージを楽しめないような奴にはなりたくない、と思っていたよ…

「ワイルド7」望月三起也  全48巻 一気読みしやがれ

今週のお題「一気読みした漫画」 1969年~1979年。少年キングに連載された漫画で、テレビドラマになった時はその主題歌がかっこよすぎた。が、ドラマ自体はあまり記憶がない。見ていたはずだが、それほどかっこよくなかったのかもしれない。 だいぶたってか…

読書メモ 本のエンドロール 安藤祐介 講談社文庫 2021年4月

作家や編集者が題材になったお仕事ドラマはよくあるが、本書はさらに裏方の印刷・製本に携わる人たちが主人公の物語である。印刷・製本というと、出版のプロセスでいうと最終局面で、締め切りぎりぎりになってようやく入稿した原稿を、無理を言って深夜まで…

読書メモ 紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人 歌田年 宝島社 2020年

第18回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作である。なんと、本体の紙が8種類使われている。宝島社らしい遊び心だ。それぞれ厚みや見た目、インクの乗りなんかが微妙に違う。はずだ。わざわざそんな手のかかることをしているのだ。だけど、おーっ、本なん…

読書メモ いろいろな優しさに出会える「そしてバトンは渡された」瀬尾まいこ 文春文庫 2020年9月

2019年の本屋大賞受賞作である。気にはなっていたが、主人公が女子高生で複雑な家庭環境で、というあたりで重いのかなぁ、と思って敬遠していた。 なんでもこの秋に映画化が予定されていると聞いて、さらに、石原さとみさんがキャスティングされていると知っ…

読書メモ 『生かさず、殺さず』 久坂部羊 朝日新聞出版 2020年

これは小説のふりをしたノンフィクションですね(笑)著者は現役の医師です。上質なエンターテイメントの書き手であり、現代の医療に関するリアルで、かつ、重要な問題提起が含まれた作品が魅力です。 今、病院に入院している患者さんは高齢者がほとんど。そ…

読書メモ 健さんを探して 相原斎と日刊スポーツ特別取材班 青志社 2015

中学生の頃だったと思う。父親が映画に誘ってきた。「リーダーが悪ければ組織は全滅する」とかなんとか気負って言ったあと、お前もこういう映画を観ておくといい、という。高倉健主演の「八甲田山」だった。当時、この映画でリーダー論や組織論を語るビジネ…

読書メモ Let’s ゆるポタライフ こいしゆうか 山と渓谷社2019

たのしくおしゃれに自転車生活はじめませんか? というキャッチが入っている。マンガである。エッセイ漫画というらしい。登場人物のOLらしき女子2人が、自転車にはまった知人から「遊びながら痩せられる!」と聞いて自転車をはじめようとするところから話…

読書メモ 「魔眼の匣の殺人」 今村昌弘 東京創元社 2019

映画にもなった「屍人荘の殺人」の第2弾。映画のキャストでいうと、神木隆之介さんと浜辺美波さんが再度登場して再びクローズドサークルにおける殺人事件。オカルトとミステリの融合。このパターンはこの作者の発明なんだろうか。1作目の衝撃も相当だったが…

読書メモ 真実-新聞が警察に跪いた日 高田昌幸 2014年4月25日 角川文庫

新聞の書評か何かで見て興味を持って手に入れた本。文庫で2014年が初版。けっこう古い。何気なく読みだしたのだが、清水潔氏の「殺人犯はそこにいる」(新潮文庫)に匹敵する衝撃的なノンフィクションだった。 北海道警察の裏金工作を暴いた北海道新聞が、道…

読書メモ 「鉄路の果てに」清水潔 2020年5月 マガジンハウス

著者は「桶川ストーカー殺人事件」「殺人犯はそこにいる」などのドキュメンタリーで高い評価を得ているジャーナリストである。本書は、シベリア抑留体験がある亡父が残したメモに書かれた「だまされた」の文字の意味を知るべくシベリア鉄道の旅に出た旅行記…

読書メモ ちょっと驚きの読書体験 「流浪の月」 凪良ゆう

2020年本屋大賞受賞作ということで前から気になっていたが、ようやく手にした。冒頭から最後まで、心が痛い、というか、ひりひりしっぱなしの、なかなか衝撃的な読書体験だった。かといって決して心が深刻に重くなるという風ではない。なんとなく一気読みし…

「悲素」帚木蓬生 を読む。

2015年に新潮社から単行本の初版が出ている。文庫になったのは2018年だ。全く知らなかった。当時は話題になったんだろうか。それとも、もう事件そのものの関心が薄れて本書もさほど話題にならなかったのだろうか。 この本は、小説である。つまりフィクション…