時速20キロの風

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児童虐待、「適切」に対応してもこうなるなら、もはやルールが「適切」じゃないんだろう。

 胸糞悪くて、ニュース観ていてもこの話題になったらチャンネル変えてしまうのが児童虐待事件なのだが。今回も、役人が記者会見して、児相や役所の関りは適切だった、といっている。きっとそうなんだろう。子どもは親の元に、親が親権を持っているのだから、役所が無理に引きはがすわけには、しかし、そういうルールが作られたころに想定された状況とはまったくちがう世の中になってしまっているのだ。戦争で親を亡くした子どもが、食うためにかっぱらいをする、という想定での少年法が時代に合わなくなっているのも同じこと、もっといえば、明治の、平均寿命が55歳程度だったころの刑事事件の量刑が、100歳まで生きることも不思議じゃないといわれている時代に、「軽すぎる」と思われるのも同じことだと思う。

 社会福祉の業界では、「こども家庭福祉士」という資格の創設が議論されている。虐待や貧困にさらされる子どもに特価した福祉士を擁立しようという目的だ。

 また、いっとき職業的クレーマーに悩まされた病院に、医療安全対策として警察OBが配属されるケースが多くなっていたが、児童相談所の被虐待児を親から引きはがす際に、警察OBを児相に配備して協力してもらうのもいいと思う。子どもを守るためには、時には半グレみたいな「内縁の夫」との荒事に遭遇することもあるだろう。現職の警察も忙しくてつきあってくれないとなれば、そんな時には、餅は餅屋、定年後の元マルBがついてきてくれたりしたら、ドアこじ開けて、部屋に入って、あざだらけで死んだ目をした幼子を保護することもできるかもしれない。してほしい。

 それにしても、安易に子どもを作って、別れて、シングルマザーで不安と貧困にさらされて、で、そこにつけこんで、子ども好きな振りをして、甘言で不安な心に立ち入って、結局は毎日ただでセックスできる相手が欲しいだけの男に子供を殺されて。

 もっと、ぶっちゃけていおう。顔面ケロイドで、ケロイドの影響で上肢の動きに障害が残り、もしかしたら視力もダメになっているかもしれない状況で、当然親の支援もないまま生きる羽目になるよりは…。それほどの案件だと思う。でも、机でお勉強しただけの親ガチャ勝ち組の裁判官は、六法と判例を読んで読んで読んで、せいぜい7年とか8年の懲役で終わらせるのだろう。

 浮かばれん。本当に浮かばれないな。しかも、ニュースにならない、ここまでにはいたってない事案は、ハインリッヒの法則ではないが、山のようにあるのだろう。

 法律と体制をいち早く変えて、公の力で子どもを守れる制度を作ってほしいものだ。

 

 そういえば、スウェーデンに渡って現地で結婚し、子どもを産んだ私の知人が言っていたが、夜にちょっと大きい声で赤ん坊がないても、すぐに警察が来た、と。近所の住人が通報するらしい。怪しい東洋人の女が子供を育てているので、近隣の住人も何かやらかさないかと耳をそばだてていたらしい。日本の都会ではそういうコミューンの力は期待できない。専門の機関と専門家が立ち向かうしかない。