時速20キロの風

日々雑感・自転車散歩・読書・映画・変わったところで居合術など。

「マガポケ」「ピッコマ」「LINEマンガ」

今週のお題「読書の秋」

 読書の秋なのだが、スマホのマンガアプリを3つほど入れてみて、それにすっかり時間を取られてしまっている。どれも似たようなサービス形態で、連載マンガの何話かまでが無料で読めて、それ以降は、それぞれのサイト独自のポイントを手に入れて読むのだ。ポイントの手に入れ方は、サイトを開くとか、サイトがお勧めするマンガをいくつか読むとか、動画を観る、とかである。動画を観る、というのは、30秒ほどのCMを観るということだ。それでも足りない場合は、課金してくれ、となる。

 無料閲覧はあくまでも餌で、何度もアクセスさせることで広告収入を得て、次を読みたい人に強制させる「CM視聴」でさらに広告収入を得て、課金して購入させて購読料を得る。そんな感じのビジネスモデルのようだ。

  マンガを読むようになって、めったに立ち入らない書店のマンガのコーナーに行ってみた。そしたら、スマホで読んでるマンガの単行本がたくさん売られている。

 作者側にとっては、単行本の印税となれば単純に計算できるんだろうが、マンガサイトで読まれた原稿についてはどんな契約になるんだろうか、と余計な心配をする。

  マンガによっては、複数のサイトに掲載されているものもある、映画にもなった「ファブル」もいくつかのサイトで掲載されていて、どのサイトでどこまで読んだのか、わからなくなったりする。

 こんな形でマンガの電子書籍化は進んでいるようだ。昔、知り合いの医師が、医学生の教科書類が電子化されたら学生は喜ぶだろうに、なんで普及しないのか」と嘆いていた。医学生となれば必須の教科書や参考図書の数だけでも相当な量になるらしく、「それがタブレットに収まれば持ち運びに便利だし、技術的には簡単にできるはずなのに」という。たしかにそうだと思うが、出版社が二の足を踏んでいるのは、現状を超えるビジネスモデルが構築できないからなのだろう。教科書を販売する昔ながらのルートが強固なんだろうな、と想像する。市場でいえばごく少数だから仕方がないのだろうけれど。

 みたいなことを考えながらマンガを読んでいるわけではなく、スマホの中でこれまで手にしたこともない「少女漫画」やら「女性向けの恋愛マンガ」やらに触れて、その視座や世界観の違いを知って新鮮な好奇心が沸いている。無料サービスの範囲だけだと、どうしてもつまみ食いのような読み方しかできないのだが、それでもこの歳で知らない世界にちょっと触れるというのは、面白い。で、家でも外でも、居間でも寝床でも、空き時間には常にスマホをいじっている人、になってしまっているのである。