映画 「第三の男」1949
主題曲が有名すぎる名作。
昔は何度もテレビの洋画劇場でやってた気がするが、この正月に初めて観た。
軽快な主題曲と、ラストの並木道のシーンだけは知っていて、最後にふられるラブコメ映画みたいな、軽くて笑える作品なんだと勝手に思い込んでいたが、なんと、かなりなサスペンス映画だった。
これ、今リメイクしたら、この場面、特殊効果などを駆使して、ドキッとするようなショッキングな映像で見せたりするんだろうな、という場面が随所にあるが、そこは「匂わせ」で終わっている。役者の目つきだけで、彼が目にしたものはなにで、それによってどういう風に感情が動いたか、を観客に想像させる。それ以上は描かない。そこいらが、妙にカッコいい。
当時の映画製作の事情や技術からそうなっただけなのかもしれないが、こういう古い映画を観ていると、当時は観客の想像力を信じて任せることができたのだろうな、と思ってしまう。あるいはそれゆえに様々な解釈が可能で、よって名作と呼ばれるようになっているのかも、とも思う。