珍しいことなのだが、街に出てから時間をつぶす必要があって、近くの映画館で今から見れる映画はないかとスマホで探して選んだのが「哀れなるものたち」(原題:Poor Things)だった。宣伝文を読んでいるとなかなかの奇作・怪作のようなので、興味本位であり、怖いもの見たさである。しかも18禁である。
自殺した妊婦の胎児の脳を妊婦自身に移植。それによって体は大人の女だが、知能は赤ちゃん、という逆コナン君が誕生する。彼女が主人公なのだ。
彼女の行動に沿うように、さまざまなPoorな人たちが現れる。彼らを通して彼女は成長していく。
奇抜な発想で、SFなのか、ファンタジーなのか、悲劇なのか、コメディなのか、一言では評しがたいストーリーが展開され、すべて「ありえない」のに妙にリアリティを感じるのは、Poorな人たちが、みな、現代のリアリティを纏っているからだろうか。
なんじゃこりゃ、と思いながらも、あっという間の2時間あまりで、映画、というか、作った関係者の想像力を堪能した、という印象だった。
こちらは原作小説である。
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