時速20キロの風

日々雑感・自転車散歩・読書・映画・変わったところで居合術など。

やいやいいう気はありませんが。大食い番組に、ユニセフのCM

 若いころから食が細いので、たくさん食べられない、食べるのが遅い、というのは、長年のコンプレックスだった。だから大食い番組や早食い番組にはまったく興味がわかない。そんな私も、ここ数年は、ウエストが大きくなってズボンが履けなくなってくるにつれて、量もスピードもかなりアップして、今度はそれに困っている。人間とはややこしいものだ。

 で、大食い番組である。今日、たまたまついているのを見るともなく見ていたのだが、CMになったとたん、どこかの国の小さい女の子が泣いていた。栄養不良で元気のない赤ちゃんがカメラをじっと見つめていた。ユニセフからのメッセージだ。一日100円、月に3000円の寄付で、この子たちに食料や薬品が届けられるのだという。CMが明けたら、再び大食いタレントが山盛りの料理をむさぼっている映像になった。

 たまたま日本に生まれて良かったな、と自分の運に感謝すればいいのだろう。正義漢ぶって憤って見せたところで何ができるわけでもない。

 でも、出演していたタレントさんが、私ががんばってる姿を見て勇気を感じてもらえるような人になりたい、というようなことを言ってるのを聞いて「なんで、君が必死に大食いしている姿を見て勇気が沸くんや。よしんば沸いたとしても、それはこっちが勝手に沸いたわけで、あなたが「勇気を与えたい」と思って「与える」ものじゃない。食いたくて食うのはいいが、他人に勇気を与えるために大食いなんかしなくていい」、と思ってしまった。そのタレントさんに他意はないのだが。

 番組も、見る人がいるから作るんだし、見る人相手に商売しようと思うからスポンサーも金を出すのだし、タレントさんもその金をもらうために、テレビ局の言うとおりにふるまっているのだし。そういうものだから自由にすればいいのだが。

 ユニセフのCMが挟まったいきさつはわからないが、もしあえてこの番組を狙ったのだとしたら、なかなかひねりの効いた作戦だ。明日のランチをちょっと節約して寄付に回そうと思った人は多いかもしれない。