時速20キロの風

日々雑感・自転車散歩・読書・映画・変わったところで居合術など。

コロナ時代なので、居合道をおススメします。

 剣道など武道の試合や稽古において、気合や発声は大事な要素であるのだが、コロナの影響でそれらが禁止されているケースがあるという。なるほど、それまで発声を必須としていた稽古で急に声を出すなと言われたら、なかなかに戸惑うだろうし、剣道の試合などは審判のしようがなくなるのではないか。

 というわけでお勧めするのが、刀を使った型稽古を行う居合道である。居合はもともと声を出さず、音を出さず、静かに演武する。太刀打の位という組型もあるが、多くは型の一人稽古だし、そもそも密になって稽古をしたら危ないので、複数名で型稽古を行うにしても、お互いに、刀の当たらない距離だけ離れる。すなわち自然に2メートルというソーシャルディスタンスをキープできる。

 ちなみに連盟が指定する刀法という限られた数本の型においては発声を伴うが、流派として伝わる型はほとんどが無言で行う。気配を悟られぬように動くところに術があるとされていて、そこをつきつめれば、実は、これほど武術的な身体操法を要求される技術も他にはないのではないだろうか、と思う。

 なにかにつけ諸説ある居合の世界なので、私見はあくまでも私見として別の機会に述べたいが、まずは、声も出さず、密にもならず、大きな動きもしない、畳2枚のスペースでできるほどほどの全身運動なので、この季節、おじさんなら甚平に帯でも巻いて、お姉さんなら浴衣に袴をつけて、サムライ気分、時代劇のヒーロー気分でチャレンジしてみられてはいかがだろうか。

 ただし天井には要注意。動く面積としては、畳2枚のスペースできる居合だが、模擬刀や木刀を使う場合、天井からぶらさがる蛍光灯をたたき割る、という事故は多い。あとの掃除が大変。かくいう私も、模擬刀で蛍光灯を斬ったことがある。グラスやコップがパリンと割れるのとは違って、点灯している蛍光灯は、爆発でもしたように、細かい破片になって四散する。また合金製の刃が欠けてしまい、切っ先から物打のあたりの一部が、のこぎりのようになってしまった。強度だけでいえば、金属の刃がガラスにあたって欠けることはないはずなので、蛍光灯が破損したときに生じた電気的な作用でそんなことになるんだと思うのだが…。

 いずれにしましても大惨事になりますので、天井にはくれぐれもご注意なさってください。