Finalは、ちょうど1か月前。映画館が、5月21日までの休館を経て、制限付きで営業を再開しだした頃だ。ラストにふさわしく、シリーズで馴染みの登場人物が総出演で全編アクションに次ぐアクション。まさに集大成、という作品だった。
その中で、ちらっと回想シーンのように挟みこまれていた有村架純演じる雪代巴との雪中のシーンが印象的だった。
今回のbeginningは、いわば映画シリーズの前日譚。るろうに剣心になるまえの、幕末の人斬り抜刀斎時代のお話だ。馴染みの登場人物は、新選組で斎藤一を名乗っていた時代の江口洋介。この新選組のよく見るデザインとは異なる裾の長い羽織がかっこよい。
で、beginning である。もう有村架純につきる。セリフも極力少なく静寂の演技が続くのだが、場面場面で微妙に変わるメイクや髪形、表情、目つきで感情の変化を表現していく。有村架純を見に行ったので、しっかりと堪能した。
しかし、「姉ちゃんの恋人」や「コントが始まる」で演じていたキャラとは全然異なるキャラクターで、上手な役者さんになったな、という感想だ。芋っぽさと、大根っぽさが親しみやすさを醸し出しているアイドル女優さん、という印象だったが、なかなかどうして。
「あまちゃん」で小泉今日子のアイドル時代を演じているのを見て、某80年代アイドルを彷彿させるビジュアルに「これ誰!」と思ってから順調にキャリアを積んで、もう28歳だそうだ。これからどういう風なお芝居を見せてくれるのだろう。楽しみである。