時速20キロの風

日々雑感・自転車散歩・読書・映画・変わったところで居合術など。

映画 コーヒーが冷めないうちに

 有村架純さんを見たくてレンタル。小品ながら、なかなかの出来だった。いわゆるタイムスリップものだが、過去や未来に行って華々しい活劇を繰り広げる、なんてことはない。タイムスリップしたところで、行けるのは、その喫茶店の決まった席のみ。しかも、そこで何をしたところで、未来は変わらない。何も変えることはできない。それでも人は、心に空いた穴を埋めるために、その席で時間を彷徨う。たとえコーヒーが冷めるまでの、わずかな時間であっても。

 とても良いお話で、とても良い時間だった。芝居達者な脇役陣もすごくいい味を出していた。こういう映画もいいよね。というか、こういう映画がいいよね。

 

 でも伊藤健太郎君が出ているのを知らなくて、けっこう主要な役だったので、そこは興覚めだった。役者の世界も厳しいものだ。テレビや映画で見る姿は、演出された、演技というテクニックを駆使した姿だと頭ではわかっていても、ひき逃げもさることながら、若くして売れて調子に乗っちゃった様子が報道され、表情見てたらいかにも、って感じで、嫌悪感しかなかった。報道がどこまで本当かわからないが、こういう世界の人にとって、イメージは重要なんだねぇ。キャーキャー言われる快感と引き換えにしなければいけないものは大きいようだ。