居合刀(模擬刀)の刃の欠けをやすりで磨いたり、鞘のひび割れを革ひもで補修しつつ、長く使った。
初心者セット、として道着と合わせて剣道具屋の赤心堂で45000円くらいで購入したのは2007年の6月だったので、もう18年を超えている。
その間、模擬刀はこの1本だけで不自由はなかった。
途中、というか始めて早々に、部屋で素振りしていて蛍光灯を叩いた時には、パンっと破裂音がして、部屋の中に白い粉がさんさんと降り注ぎ、模擬刀の刃がかけてしまった。
蛍光灯のガラスよりも模擬刀の合金の方が強いはずなので、蛍光灯が割れた時の電気的な作用で刃が欠けたのだと思う。
物打ちのあたり、3センチくらいがギザギザになってしまったので、模型用の細いやすりと紙やすりで慎重に磨いた。
模擬刀の銀色はメッキなので、削りすぎるとメッキが剥げると聞いたから、欠けたギザギザを丸めていく感じ。道具はどちらも百均だった。
鞘は、これも初心の頃に、抜き付けの稽古をしていたら鞘の上部15センチくらいの長さで鯉口からひびが入ったので、細い革ひもを巻き付けて補修した。
鞘自体に100均の万能ボンドを薄く塗り、3ミリ幅の革ひもを引っ張りながら、鯉口のから栗型まで、ぴっちりと隙間なく巻いていく。
革ひもは手芸屋さんで購入した。
これもかなり慎重に、半日がかりで作業した。ボンドを塗っては、3周ほど巻いて、乾いたらまたボンドを塗って3周ほど巻き、を根気よく繰り返す。
結果、一度巻いてからは捲れてくることもなく最後までそのまま使えた。 まるで最初から左手で握る部分に革が巻いてあったかのように。
鞘は石目塗りでざらざらしているのでボンドと革が付きやすかったのかもしれない。
柄は、木綿の黒の柄糸だが、もう糸や繊維に見えないくらいに、手あかでこってこてに固まっている。
鮫皮は白だったが黒ずんでおり、目貫や縁金も緑青が湧いている。
刀身自体は重くはなく、どちらかというと軽い方だったかもしれない。
右も左もわかってないまま購入しに来た私に、「英信流は、片手で振ることが多いからな…」とつぶやきながら店主が選んだ刀をそのまま購入した。
店主は商品を渡すとき、「これ、刃は合金やけど、拵えは真剣と同じや」と自慢気に言っていた。その時はその意味合いがわからなかったのだが。
稽古を始めて、鍔が緩んできたときに補修しようとしてわかったことに、この模擬刀は、目釘を抜いたら刀身が柄から外せる仕様だった。たしかに拵えは本物だった。
稽古をし始めたばかりの頃は、鍔が緩んだ、鯉口が緩んだ、といちいち店に持って行っては相談したり修理をしてもらっていた。
何度か通っているうちに、「経木を知り合いにもらった」とのことで、おすそわけで1枚もらった。大事に保管していれば長く使える、ということだった。経木は、何度か切って使ったが、まだ多くが残っている。
お店の方が閉店してしまったのは残念だった。