ついにこの時が来てしまった。居合道家にとって致命傷となるひざの故障。周りを見渡しても高齢者が多い居合の世界ではよくあることだが「もう膝が痛くて正座できないから演武会でも同じ立業ばかりしてる」という話はちょくちょく聞く。
当方は、以前自転車での転倒による外科的な怪我で正座が出来なくなった時期はあるが、その後は問題なく正座できていた。ところが先日、武術的な間合いの詰め方、を稽古する機会があり、膝を緩めて落ちる力を使って前に加速する、という動作をしていたときに、なにかやらかしたらしいのだ。数日後から右膝の痛みが強くなり、正座をしようとすると膝蓋骨の上側の筋肉が突っ張って、膝が曲がらない。同様にふくらはぎの上側の筋肉も突っ張って激痛が走る。立膝はなんとかできるが、正座が全くできなくなった。風呂の中で患部を揉んでみたり、筋肉痛のスプレーをかけてみたり、いろいろやってはみたが、改善しない。どころか、通勤途中の階段の上り下りにも痛みを伴うようになってきた。
そこで知人の理学療法士に相談したところ、ストレッチを教えてもらった。
で、それをやってみたところ、正座ができてしまった。もちろん痛みは残っているし、100%ではないが、やる前よりは曲がるようになった。外から見ていれば普通に正座しているように見えるだろう。まだ痛いし膝周りの筋肉は突っ張っているけど。
で、正座 できない ストレッチ、とかで検索してみると、なるほど教わったようなストレッチのやり方やエビデンスが書かれたサイトがたくさん見つかった。
高齢化すると、膝の軟骨がすり減ったり、変形性膝関節症などの症状が出るのは仕方のないことだが、急にそうなった場合や、筋肉が突っ張って痛いようなときには、ストレッチで改善することもあるので、知人の居合道家のおじいさま方にも教えて差し上げようと思う。もちろん素人療法は怪我を悪化させるかもしれないので、症状がひどい場合は整形外科に行ってください。