時速20キロの風

日々雑感・自転車散歩・読書・映画・変わったところで居合術など。

読書メモ 世田谷一家殺人事件 銘肌鏤骨 青志社 2020年10月

 事件から20年が経ち、犯行現場である被害者宅が取り壊されるというタイミングで書かれたもので、著者にしては、同じ事件をテーマにした前著に続く続編である。

 この事件で警察の初動に問題があったことは多くの指摘がされている。あまりにも多くの遺留品があったため、早々に犯人が見つかるという予測が捜査側にあったらしい。

 それが迷宮入りになってしまうというのだから、いろいろ言われているように、外国籍のプロの仕業と思わざるを得ないのかもしれない。被害者と犯人を直接結び付ける利害や怨恨の線を追っても犯人にはたどり着けないようだ。

 そういえば「餃子の王将」の社長が射殺された事件も、犯人が捕まったという話は聞かない。本書にも、日本で暗躍する外国の闇の組織や人物について触れられているが、本当にそういう組織や人物がいるのかもしれない。そういう組織や人物にとって、日本は「仕事」がしやすいのだという。恐ろしいことである。