35℃を超える猛暑。暑い。けど行かねばならない。夏に日焼けしておかないと冬に風邪をひく。
んなアホな、って感じなのだが、昔はそんなことを大人が真顔で言っていて、子どもはみんな信じていたのだ。今なら、シミができる、熱中症になる、どころか、皮膚がんになると脅されるのだが、やはり夏は太陽と遊ぶのだ。
といっても誰も遊んでくれなくなったので、一人で遊んでいるのだが。
港も、公園も、人が少なかった。プールもやってないし、バーベキューも禁止だ。港には「警戒船」という赤い旗をたてた船が一艘巡行していた。何を警戒しているのだろう。いずれにしても、一人遊びの人間には、快適な環境ではある。それが世の中としていいのか、悪いのか、よくわからないが。
そういう中で、目立つのが、若めの爺さんだ。ほどよい木陰のベンチを探して公園の中を自転車で流していると、そういうベンチには必ずと言っていいほど、爺さんが座っている。暑い盛りに公園に来ているのだから、元気なのだろうが、見た目はおっさんを少々超えて、爺さんの域にかかっている。休日の図書館にもたくさんいるが、家事能力がないので、家にじっといても邪魔になるだけなのだろう。
こちらも似たようなものだ。自分の方が、木陰のベンチの若めのジジイよりはほんのちょっと若そうなので、涼し気な木陰のベンチは先輩に譲って、日が差すベンチで蝉の声のシャワーを浴びながら、わずかな風に涼を楽しむ。