時速20キロの風

日々雑感・自転車散歩・読書・映画・変わったところで居合術など。

「ワイルド7」望月三起也  全48巻 一気読みしやがれ

今週のお題「一気読みした漫画」

 1969年~1979年。少年キングに連載された漫画で、テレビドラマになった時はその主題歌がかっこよすぎた。が、ドラマ自体はあまり記憶がない。見ていたはずだが、それほどかっこよくなかったのかもしれない。

 だいぶたってから瑛太が主演で映画になったが、オープニングのエピソードである銀行強盗団の殲滅シーンは、原作のイメージそのもので感涙ものだった。この映画は冒頭の5分間で十分元が取れる。

 

 そのエピソード、飛葉が「強盗犯として退治する」といったとき、犯人が「退治じゃなくて、逮捕だろ」といったとたん、飛葉のコルト・ウッズマンが火を噴き、「こうするから退治ってんだよ」と言い放ったのを見て以来、もうバイブルのようになってしまった。その後、モデルガンを集めたり、バイクに乗るようになったりしたのも、すべてワイルド7の影響だといっても過言ではないだろう。

 

 凶悪な犯罪者をスカウトして訓練しなおし、警視正の肩書を持つ超法規的な警察組織として結成された秘密警察で、法の目をくぐり権力と癒着し、私利私欲をむさぼる悪党を「退治」するのがその役目だ。普段はそれぞれ一般人として暮らしているが、ひとたび命令が入れば制服を身につけバイクと銃器を駆使して使命を果たす。正義や使命感や友情や絆など、少年が血沸き肉踊らせる要素がすべて入った完璧なエンターテイメントだった。

 単行本で全48巻。ストーリーはハリウッド映画を思わせるスケールで、今の時代なら原作としてハリウッドで実写化されたりしたかもしれない。

 

 そのワイルド7だが、いちおう全48巻、カバーがなくなったり黄ばんだりぼろぼろになってはいるが、実家にある。メルカリで売ってみようかとも思ったが、ぼろぼろだしなぁ、と思って検索したら、コミックシーモアというサイトで、電子書籍として全巻購入可能となっていた。1巻440円。48巻で21120円。何より場所を取らない。劣化もしない。となれば、やはり出版物の電子化の波は止められないかもしれない。

 そのワイルド7だが、セガトイズというところが発売している「ミニコミ」がある。単行本が、縦が7センチ、横が4.5センチのマッチ箱くらいの大きさに縮小されていて、1~10巻がセットになっている。これは、たしか子どもが小さいときにトイザらスによく行っていて、その時にワゴンセールでみつけて興奮して買ったものだ。500円の値札が付いている。

 Amazonで検索したら、なんと今でも販売されているようである。これは形のあるものとして手元に置いておきたい人向けか。紙の本と電子ブックとの共存、という課題では、文字だけなら厳しいが、漫画ならかろうじてこういうのもありなのかもしれない。

 

 ちなみにこの「ワイルド7」,もちろんスマホもネットも出てこないが、ストーリーとしてはまったく古びてはいないから、今でも十分楽しめるはず。どのストーリーか忘れたが、飛葉と居合の達人が対峙するシーンも印象的に覚えている。こういう名作が、もはや世の中から消えているものと思っていたら、デジタル化されて十分に購入可能な価格で流通しているのだから、電子書籍も捨てたものではない。