時速20キロの風

日々雑感・自転車散歩・読書・映画・変わったところで居合術など。

ブランド買取ショップに金券を売ってみた。

 もらいものだが、長らく使いあぐねていた某百貨店の商品引換券、いわゆる商品券があるのだが、いつもらったのかも忘れるくらい古いので、昨今みかけるデザインとはちょっと違っている。もう賞味期限切れ?なんじゃないかと、その百貨店のインフォメーションで、使えるのか聞いてみた。インフォメーションのお姉さんは、商品券のカタログみたいなのをめくって、首をひねって、あちこちに電話して、ようやく「大丈夫です。お使いいただけます」と回答してくれた。

 が、デパートで買いたいものもあまりない。けど使わないともったいない。最近、老眼が進んで度数が怪しくなってきた眼鏡を新調しようかと眼鏡売り場へ。で、驚く。一番安いものでも4万円を超える。眼鏡って最近安いから、デパートといっても2~3万円であるのかな、と思っていた。商品券は2万円ほどあったので、少し追加するくらいで買えるとふんでいたのだが。

 

 ここいらが生来の貧乏性なのである。たとえば5万円の眼鏡を2万円安くで買える、と思えば4割引きで悪い話ではないのだが、追加する額が3万円になる。予算オーバーである。これが2万5千円で、5千円プラスすればいいという話なら考えたかもしれない。けど追加3万円となればもういけない。悲しい性だ。

 というわけで、その商品券はまたしばらくタンスの引き出しにしまわれることとなった。

 

 で、2020年正月。新聞チラシで近所にブランド買取ショップがオープンするのを知って、商品券のことを思い出し、こういうところに持ち込んでみたらどうだろうかと考えた。古書専門店に古本を売りに行ったことはあるが、商品券を売りに行くのは初めてだ。なんやかんやと理屈をいわれて結局は買いたたかれるのではないか、なんせ発券元のデパートでもあちこち調べてようやく「使用許可」がでたような代物なのだ。あまりに安く買いたたかれるようなら、売らないで持って帰ってくる、といって家を出た。

 お店にいくとお客はだれもおらず、ちょっと敷居が高い気がしたが、思い切って入ってみた。愛想よく迎え入れてくれた店員さんは、査定するといって、パソコン叩いたり電話したり、けっこう時間がかかった。やっぱり古いものなんで無理かな、とあきらめかけた。で、ようやく告げられた結果は、額面の90%近い価格での買取だった。相場を知らないからなんともいえないが、長年使いあぐねていたし、使おうと思えばデパートに行く交通費もかかるし、この額なら文句なし。よしよし。

 ただ、現金もらって帰るとき、なんかよくわからないのだが、ちょっとだけ、複雑な気持ちになってしまった。売買契約が成立しただけで、けっして施しを受けたわけではないのだが。帰り際、店員さんが頭を下げて見送ってくれたとき、こちらは店員さんに向き直り、それ以上に深々と頭を下げていたのだった。