時速20キロの風

日々雑感・自転車散歩・読書・映画・変わったところで居合術など。

2020 今年、本物の海をやっと見た 南紀白浜 千畳敷・三段壁

 

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 父の会社の保養所があったこともあり、小学生の頃から白良浜の海水浴は定番の夏の行事だった。父が土日を若い部下たちのために遠慮したため、僕たちが使うのは平日だったので、父は来なかった。うちと親戚の2~3家族による合同の夏の旅行だったが、どの家族も父親が参加していなかった。そういう時代だったのだろう。

 しかしそんなことはなんの問題でもなく、普段会えない年齢の近い親戚のこどもたちとの海水浴旅行は、ひたすら楽しいだけのエキサイティングな日々だった。

 そういう「こどもの世界」も、誰かが中学生になると少しづつ足を洗う子がでてきて、いつのまにか解散してしまう。それだけ「小学生時代」というのは人生において特殊で貴重な時代なのだろう。

 そのうち僕自身も足を洗う時が来て、その保養所は、中学高校時代に使うことはなかった。大学生の時に、一度だけ、大学の仲間たちと使った。

 そこからまた縁遠くなり、結婚してからまた嫁や友人と毎年訪れるようになった。そして子供ができ、幼い子供たちを連れて夏の海に遊んだが、しばらくして父が引退し、保養所とは縁が切れる。しかしその後もホテルを使って白浜には毎年行った。

 というわけで、海水浴はしなくなっても夏には海を見に行くのが定番だ。南紀の豪快な黒潮の海を眺めるのはとても大事な行事になっている。

 コロナで外出自粛を余儀なくされた2020年だが、10月も半ばになってようやく今年の南紀ツアーを実現できた。

 黒潮は、やはり広大で豪快だ。ジョージ秋山の「浮浪雲」という漫画で、細君のカメ女が旦那の雲に、息子の教育にもっと関心を持ってくれ、と愚痴ったとき、雲が「海を見に連れて行ってますけど」みたいなことをいうシーンがあった。そうだな。海を見るって、そういうことだな、と海を見て思う。だから子供たちと毎年海を見に行く。