時速20キロの風

日々雑感・自転車散歩・読書・映画・変わったところで居合術など。

「好きなおやつ」ですが、主食だったときも。かっぱえびせん

今週のお題「好きなおやつ」

 下宿生だったころ、これと牛乳で、一食分を賄っていたことがある。塩分、でんぷん、たんぱく質、カルシウム、油がまとめて摂れるので、栄養的にはOKということにしていた。もちろん毎日ではないが、「たびたび」くらいには世話になっていた。

 今でも、目にすると買ってしまうし、しばらく食べないと無性に食べたくなる。その手の食べ物はほかにもいくつもあるが、かなり上位に位置する。なんてことを書いている数日前にも食べていた。これほどのロングセラーになるにはマーケティング上の相応の理屈があるのだろうが、ややこしいことは考えず、手軽においしくいただく役目を全うしたい。

 

 かっぱえびせんで印象的なエピソードがある。妻が出産で産院に入院していた時のこと、隣のベッドの若い妊婦さんが、「こどものためにカルシウムをとらないといけないから」といって、かっぱえびせんばかり食べていたそうだ。それも、単に好きだから食べているのではなく、カルシウム摂取のためにしかたなく無理に食べている様子だったという。たしかに袋にはカルシウムの含有量が多いことが謳われてはいるが。

 病院なんだから、栄養については、栄養士さんや助産師さんに相談するとかすればいいのに、と思ったが、おせっかいを焼いてトラブっても嫌なので黙っていたという。食べますかと勧められたときは遠慮したそうだ。若いというより幼い感じで、10代くらいに見えたという。

 このエピソード、私がかぱえびせんをうれしそうに食べていると思い出すようで、何度か聞かされた。

 その時に生まれたうちの長女は、大学4年でいよいよ就活という矢先にコロナ禍に見舞われた。就職状況に関しては、ここ数年改善してきてラッキーだったね、といっていたのだが、まさに急転直下である。民間企業は採用を取りやめ、内定を取り消し、また公務員系では自治体では試験の時間短縮と求職生救済のためだろうか、従来の教養試験と専門試験という内容を大幅に変更して、民間で行っているような常識能力検査と性格検査に置き換えたということだ。これは違うんじゃないか?公務員を志望して専門試験のための勉強をしてきた人はどうなる?採用する側も、「コロナで希望の就職先が採用を取りやめたので仕方なく」みたいな人を雇っても、育成の手間がたいへんだろうに。

 と話がまた大幅に脱線したのだが、幸い長女は30連敗の後、ようやく1つ内定をもらえたようだ。そのことをバイト先の上司らに報告したら、本人曰く「引くほど」喜ばれたとのこと。いつのまにやら、そうやって自分なりの世間や社会を獲得していってるんだな、と思うと、ほっとする反面、寂しい思いもする。これからは、雛どもの巣立ちを祝いつつ、親鳥の方も変化や喪失に伴う成長が必要になってくるなぁ。