今週のお題「ごはんのお供」
ごはんの供、と聞いて印象に強いのは、ふりかけの「旅行の友」である。田中食品という広島の会社が作っている。最初の出会いが、記憶は定かではないが、小学校低学年くらいであったと思う。祖父の家に泊まっているときに食卓に置いてあったのを覚えている。
祖父の家、といっても、当時の住まいから電車とバスで、1時間あまりではあったが、家には土間があり、井戸があり、トイレは庭先の小屋にあり、街中の団地の住民にはまったくの異世界で、やはりそこは、小学生には非日常のわくわくする世界なのである。隣近所に同年代の親戚の子が住んでいて、朝から晩まで遊べるのも興奮だった。祖父の家に泊まっている間中が異空間で繰り広げられるお祭りのような日々だった。そんな日々の中で出会ったのが、「旅行の友」だったのだ。たぶん祖父の家で初めてみたんだと思う。家にあったのりたまよりもずっと美味いと思えたものだ。
パッケージに書かれた、鋏が入った切符が頭髪になった少女だか少年だかのイラストが印象的だ。このイラストは、今でも変わらない。それにしても、なんでふりかけが「旅行の友」なのかな。そうか。昔は木賃宿みたいなところに泊まる時は、ごはんだけは出してもらえたのか、それともお米を持っていって炊いてもらうのか。少なくともおかずの準備がないから自分でふりかけを持ち込みしていたのか。このふりかけができたのが大正時代だというから、当時の庶民の旅行といえば、そんな風だったのか。時代やなぁ、と勝手に旅情や郷愁を感じていたのだが、調べてみたら、戦争中に戦地で食べる携帯食として開発されたのだそうだ。印象が一気にヘビーになってしまった。
が、まぁ、そんなことより今でも美味いし、関西だとどこのスーパーでも売ってるし、家にもいつもある。変わらずにいてほしい一品である。
