時速20キロの風

日々雑感・自転車散歩・読書・映画・変わったところで居合術など。

不思議な話―ホテル編

今週のお題「怖い話」

 仕事で他府県から大阪にお招きする女性の方。大阪駅近接のホテルに泊まっていただいたのだが、「部屋の壁がチカチカした。次から部屋を変えてほしい」とのこと。ホテルに確認すると、特に変わった調度でも壁紙でもないのだが、お客様がそのようにお感じになられたのなら、と次回から同じ値段で別のワンランク上の部屋を提供してもらえることになった。

 次の機会。今回はどうでしたか?と聞くと、今回はチカチカすることはなかったと。内心、当たり前だろうと思った。長年営業しているシティホテルで、目がチカチカするような壁紙を使っているわけがない。

 ところが、その方がいうには「それでもあのホテルの吹き抜けの空間には、なんだか嫌なものが澱んでいる」とおしゃる。「きっとあの周りの土地に何かの原因があると思うから、あの辺の郷土史とか調べてみたらどうですか」と真顔でおっしゃるので、少々気味が悪くなった。霊感が強いのだそうだ。「大阪城を中心とすれば梅田は僻地だっただろうから、お城の周りには置けないものが置いてあった、とかあるかもしれませんね」と返事をしてそのまま忘れていたのだが、その話をしてから2年ほど経った2020年8月13日、梅田で1500体もの人骨が出土したという報道を目にした。一般庶民の墓で、疫病で死亡したとみられる遺骨が3割にのぼるとか。チカチカの原因はこれだったのだろうか。

 ホテルといえば、東京のお茶の水にある古いホテルに、仕事の関係者に泊まっていただいたときのことである。この人は男性の歯科医なのだが、部屋に入った途端、何か嫌な気配がしたらしい。霊感は強い方なのでこういう感覚は初めてではない。一晩だけなので我慢しようと思ったが、寝ようとすると浴室のドアが音をたてたり、トイレの水が突然流れたりする。これでは眠れない。部屋を見回してみると、壁に額に入った絵がかかっている。気になったので、その絵を裏返してみると、そこにはお札が1枚貼ってあった。深夜に近かったが、さすがにすぐにフロントを呼び、布団部屋でもなんでもいいので今すぐ部屋を変えてほしいと頼んだそうだ。

 どちらも不思議な話である。