時速20キロの風

日々雑感・自転車散歩・読書・映画・変わったところで居合術など。

自転車散歩 「浜寺公園」

公園の反対側の川縁の遊歩道には人気がない。35度を超える炎天下、川に向いた木陰のベンチで水分補給していると、川を渡る風が心地よい。時折、木の葉を強めに揺らす風が身体を冷ましてくれるのがごちそうだ。

 なのに、さっきから麦わら帽子のおっさんがママチャリで、背後を行ったり来たりしている。人気がないことを楽しんでいるのに、暇つぶしに話しかけられたらうっとうしいなぁ、と思ってたら、やおら自転車を止めて大声を出す。ややこしいおっさんにからまれるのか、と構えたら、おっさんは川に向かって何かを叫んでいる。見ると、川で一人乗りのボートを漕いでいた若い女性が手を止めて頷いている。オールの握りへのアドバイスのようだ。コーチなのか?しかし言うだけ言ったらボートとは逆の方向にママチャリで走り去っていった。もしかしたら昔ボート部にいたことがある通りすがりのおせっかいなおっさんなのか。

 この川には大阪府立漕艇センターがあってボートの練習や競技が行われる。なかなか、珍しい、というか、貴重なものがこんな近くにあったことを知った。

 

 川縁の遊歩道を走って、漕艇センターの前に置かれた見慣れないボートを横目に、少し行くと、突き当りにある橋を渡って向こう岸に。市中を少し走って、浜寺公園に戻る。浜寺公園は、緑地が縦に細長く続く公園で、やはりBBQ客がいないが、プールは営業していた。  

 小学生の頃に、このプールで開催されていた「浜寺水練学校」に通っていたことがある。当時は長居に住んでいたが、どうやって通っていたのか、まったく覚えていない。

 プールの前の草地に整列して、へんな体操をやらされて、プールでは初心者を示す赤い帽子に二本の白線を入れていた。級があがったら線が取れたり、帽子の色が変わったりしたように思う。唯一覚えているのが、プールの帰りに、屋台のような店で、コロッケだか串カツだかを買って食べたことだ。その店の同じかどうかはわからないが、やはりプールの前に1件、小屋のような店があり、かき氷やコロッケやアメリカンドッグなどを安く売っていた。同じ店なら50年以上営業していることになる。懐かしかったが、小学生に交じって50円のコロッケを一つ買うのも気が引けて眺めるだけで立ち去ることにした。

 

 浜寺公園には交通遊園があり、信号や横断歩道の体験学習ができ、汽車が走っている。のは知っていたが、今回は、バラ庭園があることを発見した。発見したといっても場所は公園のど真ん中のレストハウスのある場所なので、発見というより単に知らなかっただけだ。季節外れで花は少なかったが、散歩にはすてきな場所だ。自転車は乗り入れ禁止なので、自転車は置いておき徒歩で回る。

朽ちた木造船が打ち上げられた「砂浜」があったり、と退屈させない。

 BBQが復活したらちょっと風情が変わってしまうが、チャリ散歩の定番ルートの開拓になった。

 見渡す限り人影がない草むらのベンチで、コンビニで買った缶ビールとコロッケパンのランチ。

缶ビールは一気飲みしないと、しばらくおいておくとすぐにぬるくなる。プールからBGMが漏れてくる。空がしみるようい青い。緑が濃い。阪堺電車が走っているのが見える。